灯りのない部屋で。

2012.07.17 Tuesday

蛍光灯。
わたしは,蛍光灯が嫌いでした。

昼でも夜でもお構いなしに,部屋の中をパキッと均一な明るさに保つ,
無味乾燥な,正しい白。

正しい白の真下に居ると,あなたもきちんとしなさいと,無言の圧力をかけられているようで,息がつけずに,身体の内側が疲れていくようだと,子どもの頃のわたしは思っていました。


「白熱灯はぼんやりして,眠くなりそうでだめ。」

母は,わたしと反対でした。

「蛍光灯のほうがシャキッとしてやる気が出るでしょ。」

白熱灯のぼんやりした橙色が好きなわたしと,
蛍光灯のきちんとした白が好きな母は,反対でした。


おまけに世の中みーんな母の味方のようで,
家も,塾も,学校も,どこでもここでも正しい白。

なるほど求められているのは,冷たくて,きちんとした,正しいもののようでした。


*    *    *


…ホントのところは,
蛍光灯のほうが白熱灯よりもずっと電気代が安くて経済的だったんだ,なんて。

この上なく合理的で,実利的で,
ちっともロマンチックじゃない理由を知ったのは,
それからずいぶんあとのこと, おとなになってからでした。

Comment

  1. 遠山きのこ より:

    あまり気にしたことがなかったけれど
    自分も白熱灯の方が好きだなぁ(´・ω・`)
    明るすぎず 暗すぎずって感じで落ち着く…
    蛍光灯は明るくて目がチカチカしちゃう
    ねこ姫に会いた~い 癒されたいです…

  2. ねこ より:

    うちのリビングは白熱電球で、
    寝室(和室)は電球色の蛍光灯を使ってます。
    ただ、白熱電球は電気を食う上に、
    発熱して夏場は部屋が暑くなってしまうので、
    昨年から夏季だけ電球型蛍光ランプ(もちろん電球色)にしています;;;

  3. より:

    個人的には蛍光灯を消した後に灯く豆電球が一番好きだったり(´ω`)
    確かに教室だったり職場だったり、シャキッとすべきところは蛍光灯でもいいかもしんないけど家とか息抜きの場所は白熱電球の暖かいレトロな光がいいとおもふ。。。

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