がんばるって何?

2018.11.23 Friday

ネガティブな話は聞きたくない。
がんばってるねここちゃんの話が聞きたい。

がんばれ。 がんばる。 がんばってね。 がんばり屋さん。
あいつは頑張ってるじゃん。 私は頑張ってないのかな?

さいきん, “がんばる” って言葉が頭の中をずーっとぐるぐるしています。

気軽に使われる言葉で,私だってよく使う。
使う時はそこまで深く意味なんて考えて使わないのだろうけど,
やたらとこの言葉を聞く機会が増えて,
がんばるの意味がさっぱり分からなくなっています。

「頑張ってるね」 って言われても
「うん? 私,頑張ってるのか?」 って,頭には疑問符。


がんばるって,一体何?


私ががんばってる時っていつだろう。

思い返してみて,
人生の中で自分が確かに”がんばった”っていう感覚があるのは,
高校受験の時です。

「芸術系に強い,面白い高校だよ」って塾の先生に勧められて,
文化祭を見に行った神奈川総合高校。

他の高校の説明会や文化祭にも随分と足を運んだのだけれど,
神奈総だけは校内に入るアーチから,装飾から,ポスターから,音楽から,
何から何まで凝っていて「オーラが違う!」って感じだったのです。

文化祭以外にオープンスクールにも行ったのですが,
たまたまその日は”和装の日”で,浴衣を着て授業を受けている人たちがいて,それにもびっくり。

制服も校則も無い自由な校風で,
時間割もぜんぶ自分で作る,小さな大学みたいな高校。

説明してくれる先輩も,顔が生き生きしていて,この高校が好き!
っていう気持ちが伝わってきて,絶対この高校に行きたい!と思いました。


偏差値のわりに進学校ではなかったので,
母には「近いし前期試験の面接だけで受かるんだから」と横浜市立金沢高校を,父には「推薦で行けるしエスカレーターでMARCHに入れるんだから」と法政女子高校を勧められました。

私の当時の成績では受かるかどうか五分五分という感じで,
みんな安全牌を勧めたのだと思います。

でも,私が行きたいのは絶対に神奈川総合高校!

そう決めていたから,神奈総に行くために勉強を ”がんばった” 。


テストでいい点,いい成績をとるためにひたすら教科書とノートのまとめ。
模試で間違えた問題の見直し。
内申点を上げるために英検・漢検・数検。
面接でプラスになるかなぁなんて考えて,柄にもなく美術部部長に立候補。
前期試験は落ちてしまったけど,面接の想定質問の答えを考えて,
練習も一人で何度も何度もしました。
頭が良いわけでも,要領が良いタイプでもなかったから,
とにかく時間がかかりました。


それでもあの時がんばれたのは,
その高校に合格するっていう明確なゴールがあって,
それは努力すれば自分の能力の範囲内で叶えられそうな目標で,
何をどう頑張ればいいか,ある程度のやり方や道筋が見えていて,
その先に明るい未来が見える気がしていたから。


明るい未来。

神奈総に行きたかった理由は実はもう一つあって,
家から少し遠くて,同じ中学から受験する人が誰もいなかったからです。

私はお世辞にも可愛いとは言えない顔で,しかも地味で暗かったので,
小中学校ではずっとブスだと言われ続けて,
廊下ですれ違うと吐く真似をされるのが日常茶飯事でした。

学校が嫌いでした。
不器量で,何の取り柄も無い自分が嫌いでした。

そこから抜け出したかったんです。
誰も自分のことを知らない,新しい環境に行きたかった。
だから,母の勧める,家から近い市立金沢には行きたくありませんでした。

新しい環境なら,新しい自分になれるんじゃないか…
あんな高校なら,楽しく過ごせるんじゃないか…

がんばった先に,今とは違う未来が見える気がしていたの。


でも,今はどうだろう?


私,自分が何をしたいのか,よく分からない…。

ううん,ちがう気がする。

ふわっとしたやりたいこと自体は,ある。
だけどそのために何をしたらいいのか,分からないんです。

がんばるって,たぶん,何かの目標のためにやるべきことを
コツコツと積み上げていくことなんだろうって思っているけれど,
今の私には,明るい未来も,目指すべきゴールも見えないし,
終わりが見えないから,当然そのための道筋も見えなくて。


絵が描きたい?
でも,趣味でときどき描いて,私の絵を好きって言ってくれる人がいたら,
今はそれでいいんだ。
絵を描いて暮らせたらそれは凄いことだけど,そんな気概や才能がある?
そもそも私は本当に絵が描きたいのかな?
昔好きだったこと,褒めてもらえたことにしがみついて,
今も好きって思いたいだけなんじゃないのかな?

結婚したい?
好きな人とずっと一緒にいられたら,たぶん私は幸せだな。
でも,好きだった人はもう私の側にはいないし,
婚活するのも何だか違うし,どうしたらいいのかもうよく分からないや。

可愛いお洋服が着たい?
でも,1日,1秒ごとに私は歳をとっていて,
日が経つごとに可愛いお洋服は似合わなくなっていくんだよ。
ただ着るんじゃなくて可愛いお洋服が似合う自分になりたい私にとって,
これはどんどん難しくなっていくことだ。

やりたい仕事?
そもそも私のやりたい仕事ってなんだろう?
今の仕事はただ最低限のお金や安定が欲しくて始めただけだから,
お金が稼げればそれでいい。
夢は自分が通っていたアサバアートスクエアみたいな,お絵かき教室…
いや,別にお絵かき教室じゃなくても,カフェとか何でもいいんだけど,
みんながふらりと集まれるような,”居場所”みたいな場所を作ること。
でも,そのためにはお金も必要だし,どうやったらそんなことができるのか,皆目見当もつかない。



がんばらなきゃいけないらしい。

だけど一体何を? 何のために?

生きるためにやらなきゃいけないことをやって,
息抜きに楽しいことを探しながらただ生きるだけじゃダメなのかな?

そんなのは当たり前にみんなやっていることだから,
それじゃ認めてもらえないのかな。

認めるって,そもそも私は一体誰に認めてほしいんだ?

がんばらなくちゃいけないって思ってるのは自分自身?
だけどがんばってないから,自分で自分を認めてあげられないのかな。


幸せとか,夢とか,目指すゴールに実体がなくて,
だから具体的にどんなことをがんばればいいのかよく分からなくて。

でも,がんばってないとダメで。


毎日,毎日,
分からなくて苦しいまま死に近づいていって,
自分で自分を追い詰めているみたいなんだ。

Comment

  1. ふじぽん より:

    こちらには久しぶりの訪問です。
    そして明日は祝日なので夜更かしです(*´ω`*)

    歳を重ねてくと頑張ろうにも
    頑張れなくなるので、若いうちに
    頑張っておくといいよ。な〜んてね

    腐らずにピカピカしていれば
    きっといい人生が歩めると思うよ。
    って人のこと言えないけれど〜

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