冬ごもりと夜中のひとりごと。

2013.04.13 Saturday

深夜4時。

寝巻きの上にガウンを羽織って,
マンションの真下の自動販売機まで,温かいミルクティを買いに下りました。

ひとりではどうしても寝付けなくて,無性に何かの温もりが欲しくなったのです。

ところが,
自販機の口から吐き出された 温かいはずのミルクティは,ひんやりと冷たく,
私の手のひらの温度を すっかり奪い去ってしまいました。

よく見ると,冬の間ショーケースの中で寄り添っていた温かい飲み物たちは,
みんな早々に衣替えを済ませてしまったようでした。
春なんだから当たり前でしょとでも言いたげな顔で,同じ場所に平然と並んでいます。


「そっか,もう4月…。」

…どうやら,まだまだ冬の気分でいるのは私だけ。
自販機のジュースにまで,置いてけぼりにされてしまったみたいです。

冷たいミルクティの缶を手に,私は重い足取りで部屋へ戻りました。

 *    *    *

「そういえば,今年は誰にも年賀状を出さなかったなぁ…」

缶の蓋を開けながら私,
ぼんやりとそんなことを考えました。


年賀状って,昔の知り合いや,日頃音沙汰のない人にも,
お元気ですか,私はあなたを覚えています… そんなことを ごく自然に
伝えられるチャンスだと,そうして些細な繋がりを守れるチャンスだと,
私は思っているのだけれど。
でも,私には年賀状を書くだけの気力すら無くて,
一通も出すことができませんでした。


近ごろの私は,いつもそうやって,
自分の手でぷつり,ぷつりと,
周囲との細い繋がりを 断ち切ってばかりいました。

繋がりたいのに,独りは嫌なのに,誰にも手を伸ばさず閉じ籠って,
日を追うごとに,孤独になっていきました。

毎日,毎日,毎日,ひとりで穴のなか…。


「いつまで,こんな生活が続くんだろう…」


薄暗い部屋で,
一人,冷たいミルクティを喉に流し込んでいるうち,
窓の外では,うっすらと陽が昇り始めているようでした。

ラベンダーのソフトクリーム。

2013.02.27 Wednesday

ふわり。
口いっぱいに広がる,薄むらさきの香り。
ラベンダーのソフトクリーム。

それは多分, 私の中の,とても幸福な記憶です。

家族三人で, 北海道へ行ったことがあるんです。
空港から レンタカーを借りて

あれは一体, いつのことだったんだろう。


私はいつでも過去のことばかり考えているのに, どうしてか,
楽しかった想い出を連れてくるのは苦手のようです。

ラベンダーのソフトクリーム。

何をしたのか,何処へ行ったのか,いつの記憶なのか,隣には誰が居たのか,
なんにも思い出せない。


ただただ,ラベンダーのソフトクリーム。

今にも溶けて失くなってしまいそうな,淡い記憶。

ながいゆめ

2012.10.29 Monday

きょうも, きのうも, みんなゆめ,
去年, おととし, みんなゆめ。



ひょいとおめめがさめたなら,
かわい, 二つの赤ちゃんで,
おっ母ちゃんのおちちをさがしてる。


もしもそうなら, そうしたら,
それこそ, どんなにうれしかろ。

ながいこのゆめ, おぼえてて,
こんどこそ,いい子になりたいな。

*    *    *

金子みすゞさんの詩, 「ながいゆめ」 から
イメージして描きました。

(油彩)

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風向き。

2012.09.19 Wednesday

|ω・*) ちらっ…
また随分ながいこと放置しちゃったけど,ひさしぶりに日記。*


  今夏は 横浜に帰って,
  母と, 成人式の写真の前撮りに
  行きました♪

  …えへ,ふりそで。
  (*´・ω・)

  ふだん,日常の中で着物を着るような
  機会ってほとんど無いから,何だか
  ちょっとどきどき。

  私は自分の容姿にちっとも自信が
  無くて,鏡を見る度,理想と現実の
  ギャップに落胆して卑屈になってしまう
  んだけど,

でも,可愛いお洋服に袖を通すと,そんな自分でもほんのちょっぴり
可愛くなれたような気がして,そんな時は本当に,女の子で良かったなぁって,
心の底から思います。(*´ω`*)


あと2ヶ月とちょっとで,私も20歳になります。
もう, 「女の子」 とは言えない年齢になるのかなぁって,焦っています。


8月の終わり頃,
横浜で,大好きな友だちや,高校の同級生に会いました。

みんな,私よりも一足先に20歳になっていて,
ひとり,ひとり,新しいつながりや,私の知らない世界を広げていて,
地に足のついた生活をしていました。

そんなことは至極当たり前のことなのに,
自分ひとり,風に乗れずに,道端に置いてけぼりになったみたいで…

…淋しいだなんて感じる私は,ばかなのかもしれません。


前期,休学届を書いて,
学生という身分つきの,ニートと変わらない生活を送っていた私。

私は,
毎日学校へ行って,遊んで,勉強して,バイトして,テストを終えて,
やっと夏休みを迎えた… そんなみんなとは明らかに違っていて,

本当は,みんなと同じように夏休みを楽しむ資格なんて無いんだ… って,
そんな考えが,ひさしぶりに友だちと遊べて素直に嬉しいと思う気持ちと,
こころの中でずうっと喧嘩していました。


みんなしっかり自分の道を歩いているのに,
私は脇道に逸れてばかりで,ともすると後ろ向きに歩いていたりもして,
どうしてこんなにふらふら,情けないのかなぁ。


私は良いとこのお嬢さんでもなければ,
何か特別な才能があるわけでもなくて,
もう後がない。



明日から,後期の授業がはじまります。


ちゃんとしなきゃね。